家の下の職場で仕事をしている最中も聞こえてきて、何時間たっても泣き止まない?
何処から聞こえてくるのだろう?と外に出てみると、いつもこの辺りをうろついている黒い猫が、側溝のグレーチングを覗いて、泣き続けていた。
様子を見に行くと、黒猫は逃げたが遠くには行かず、こちらを見て何か訴えかけている様子。
グレーチングを覗くと、手のひらに乗る位小さな子猫が閉じ込められている。
いったい何処から入ったのか?
グレーチングを開けるとビックリして、子猫は側溝の奥へと逃げていってしまった。
覗いたが警戒して動く気配が無い。
仕方ないので、道路脇のグレーチングにセーフティーコーンを立てて開けっ放しにし、子猫が登れるように、中にブロックをいれた。

職場に戻り、そっとしていたら黒猫(親猫ですね)が警戒しながらも側溝を覗いて子猫を呼んでいる。
でもなかなか出てこない。
目も見えない位の生まれたての子猫なのだろう。
子猫も中で細い声で泣き続けている。
その声を聞いて、奴らが狙いに来ます。

3羽のカラスが、屋根の上で「かぁ~かぁ~」と「御馳走があるぞ~」と鳴いています。
私はお昼休憩になったので、2階からこいつで「要猫援護ミッション」

30m先のコインを撃ち抜ける、「VSR Gspec 6mmスナイパーライフル」
ミッション詳細
1:要猫に攻撃が認められた場合にのみ援護射撃を許可。
2:攻撃の有無の判断は、スナイパーの判断に一任する。
3:通りに一般人の通行が有る場合は、発砲禁止。
簡単な任務ではない事はわかっている。
でもやらなくては。
2階窓の隙間から、そっと覗いたところ、奴らはもう警戒態勢に入っていた。
「しまった!気づかれたか!」直ぐに身を伏せる。
スナイパーを配置した事は、既に奴らにはばれていた。
敵はこちらの射撃可能範囲から離れている。
「くっ、やるな・・・。」お互い気配を消しながらの膠着状態が続く。
そっと窓から顔を出し横を見ると、直ぐ横の電線に奴らがいた!
驚いたのはお互いだったが、敵は視界から消えていった。
その隙を察知したのか、親猫はすかさず側溝に入って行った。
「よしっ!」しかしここからが勝負!「敵は出てくる瞬間を狙って来るに違いない!」
セーフティーレバーを倒し、引き金に指をかける。
現場に緊張が走る。
すると、親子2匹で側溝から出てきて、近くの林へ素早く身を隠した!
ミッションコンプリートグリップを握る手は、汗でびしょびしょだった。
何はともあれ、1発も撃たなかったし、誰も傷つく事無く済んだのは良かった。
と、安心したのもつかの間、また「にゃ~にゃ~」と聞こえてくる?
なんと、今度は横の川に落ちていたのだ・・・。

拾い上げてタオルで拭いてやると、安心したのか泣かずに落ち着いた。
やっぱり、目も見えていない程の生まれたての子猫だった。
川に落ちて当然である。

親の元へ返しに行くと、逃げずに待っている。
「今度はちゃんと見ていろよ」と、その場を立ち去って、しばらくしてから見に行くと、子供をほったらかして、手前の白黒の彼氏と早速遊びに行っていた・・・。
まったく・・・どこの世の中も似たような物である・・・。
その1週間後に、もう一度川に落ちたこいつを助けたのは、本当の話です。

ちなみに、そんな事もつゆしらず、家の「ミルちゃん」二十歳です。
こいつを拾ってきた時も、あんな小さな時だったな・・・w